サステイナブルな大宮支部です。8月は会議をお休みし、9月にオンライン会議で委員さんと久しぶりに会いました。
大宮支部運営委員会が先日行われ、会議の中で、「豚肉の価格アップ」が話題にのぼりました。
【日本の米育ち】平田牧場の豚肉が、来週から全て価格アップのお知らせが、カタログに載っていたことが、話題の発端。
平田牧場の豚たちは、休田になった田んぼを使って、飼料として作られた米を食べて育っているのは事実ですが、飼料米だけを食べているわけではありません。
米だけを食べた豚は、「白身(しろみ 生活クラブの豚肉は、脂身という表現をしません。とろけるような白身が自慢です)」ばかりが多くなって、豚肉としての味のバランスが取れなくなります。
生活クラブ独自の基準で選ばれた飼料で、遺伝子組み替えでない(NONGM)飼料ですが、現状、中国やアメリカに輸入を頼らざるを得ません。
カタログ2021年9月5回(A週)14ページ、15ページより、内容抜粋します。
豚肉値上げの理由
豚肉の価格のうち、豚肉にあたえる飼料の価格が最も多く、約6割を占めています。(中略)
2018年からはじまった「アフリカ豚熱」の世界的な流行をきっかけに事態が大きく変わりました。
世界第一位の豚肉生産国であり、消費国でもある中国で、養豚業への大企業の参入を政府が支援するようになりました。それにより、中国国内での生産量だけではまかなえず、米国産の飼料用トウモロコシの輸入が急増し、世界的に穀物価格の相場が高騰。2021年からは飼料の輸送費も上がる異常事態となっています。(略)
ウィンナー類値上げの理由
生活クラブの「ポークウィンナー」などのウィンナー類の皮には、中国やオセアニアで生産された羊の腸が使われています。
これらの国々では新型コロナウィルス感染拡大による移動規制の影響を受け、羊の飼育頭数が減少。さらに羊腸の加工工業の操業がストップし、生産量が減る事態となっています。(中略)
生活クラブのウィンナー類は、皮にも不要な添加物を使用していません。各生産国で生活クラブ向けに加工する羊腸の価格が、市場と差が開きすぎてしまうと原料確保に影響がでてしまいます。こうした理由から、価格を見直すことにしました。
社会情勢が消費材に密接に関わっている
ブロック消費会議(消費材に関することを大宮ブロックのメンバーで話しあいます)では、6月に連合会から報告があがっていましたが、話し合う余地もなく決定されるくらい、緊急性を持った価格アップだと感じました。
2020年の支部委員との会話の中で、「自給率が低い日本の食卓が心配」という声があがっていたこと、1年半経って、いよいよ具体的に影響が出てきているのだと実感しました。
知り学び、食べる。
豚肉と関連して、9月16日に開催された「牛肉オンライン学習会」に参加したブロック役員さんから、話がありました。
生産者の「ホクレン」も国産の飼料を使って、自給率アップに貢献しているが、それだけでは食牛は育てることはできない。
ホクレンの牛肉は、良質な赤身肉が自慢だが、日本の牛肉業界で人気は、「霜降り肉」。でも、この「霜降り肉」は、ビタミンAを与えずに霜降りを作っている、いわば「病気」の肉。
健康な牛の肉を、組合員には食べてもらいたい。と生産者は語ります。
現在全国に41万人いる組合員の、約25%しか生活クラブの牛肉を利用しておらず、余ってしまったホクレンの牛肉が、買い叩かれている状態。
「ハレの食卓にあがる牛肉ですが、少しづつでも日々の食事に牛肉を取り入れてほしい。それが生産者が作り続けられる仕組みとなります。」との言葉で、「牛肉オンライン学習会」の報告を締めてくれました。
生活クラブ連合会が制作した、YouTube動画「食をつむぐ人たち」シリーズで、
豚肉篇 (←ここをクリックして動画に飛べます)
牛肉篇 (←ここをクリックして動画に飛べます)があります。
美しい映像と、わかりやすい内容ですので、ぜひご覧ください。