晴れやかな日が続き、新しい生活を始める人が多いこの季節ですが、心の不調を感じる人も少なくありません。
生活環境をはじめ人間関係の大きな変化に、早く慣れようとして神経が興奮した状態が続き、それがストレスとなって、イライラや不眠、普段は気にならない事が気になる、無気力など、さまざまな形で心の不調が現れやすくなるのです。
さらに、春ならではの体調不良も、心のストレスに結びつきやすいもの。
鼻のムズムズ感や目のかゆみといった花粉症の諸症状は、イライラ、不快感を招きます。
こうした環境の変化や気温差、体調不良によって、これといった心配事が無くても心に負担がかかりやすいのが特徴といえます。
特に4月~6月あたりは体調の変化に要注意です。新しい環境や生活に慣れ始めて『ほっ』とした頃に、心の不調が現れたり、自覚したりする傾向が見られます。
こうした春の心の不調をやわらげるのに、アロマテラピーが役立ちます。
鍵となるのは自律神経のバランスの正常化です。
新しい環境下では、自覚の有無に関わらず、心身が緊張状態にあります。これが長びくと、自律神経の一つである交感神経が過剰に優位な状態が続き、免疫抑制作用を持つコルチゾールの分泌が増加。免疫機能が低下して体調不良に陥りやすくなると共に、不眠や不安などの心の不調も生じやすくなります。
心身の健康維持には、交感神経と正反対の作用をするもう一つの自律神経、副交感神経とのバランスを正常に整えることが不可欠。
そこでアロマテラピーの出番です。
香りを嗅いで『心地よい』と感じると副交感神経が優位に動き出し、心身がリラックスし、免疫機能の活性化や疲労回復がされやすくなり、不調をやわらげることが期待できるのです。
この様にアロマテラピーは自律神経のバランスを整えるのに役立つ一方で、不調を感じにくくするための予防としても活用できます。
春は気分が沈みやすいという人は明るい香りを、花粉症で憂鬱になりやすいという人はスーッとする香りを選び、不調が出やすくなる少し前の時期から嗅ぐようにすると良いでしょう。
不調が訪れやすい時期こそ自身の状態を良く観察し、以下の表を参考に、気分やシーンに合わせて香りを活用しましょう。
- ゼラニウム
- オレンジ・スイート
- グレープフルーツ
- ラベンダー
- カモミール・ローマン
- イランイラン
- ティートリー
- ユーカリ・ラディア―タ
- ペパーミント
記事:AEAJ認定アロマテラピーインストラクター:宮部さちこ
※参考:公益社団法人日本アロマ環境協会【機関紙】AEAJ No.79 Spring2016 より