もうすぐ夏休みが始まりますね。ce2261b1cf769734bb0cff0fc61dd001_s
夏休みの思い出づくりに、”かおり”をプラスしてみると、豊かな感性を育む良いきっかけとなりえます。

今回は、子どもの成長と共にお役立て頂ける、万能精油の一つ『オレンジ・スイート精油』について。
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AEAJ(社団法人日本アロマ環境協会)が行った実験で、『オレンジ・スイート精油』の香りを30秒間吸入後に百ます計算を行うと、香り無しと比べて誤答数が減少。さらに香りを吸入すると、「イライラしていない」「頭がスッキリ」などと答えた小学生が多くみられ、『オレンジ・スイート精油』が小学生の気分に好影響を与え、学習しやすい精神環境をもたらすことが明らかになりました。

大人が考える以上に臭覚が鋭敏な子ども成長と、『オレンジ・スイート精油』の活用法を年代別にお話しましょう。

【乳幼児期】
新生児は母親の母乳の匂いを嗅ぎ分けたり、鼻をつくような強い匂いには顔をしかめるなどの拒否反応を見せたりすることが知られています。pic_g117
このように、乳児は匂いに対して鋭敏です。さらに乳幼児期は嗅覚に限らず、味覚や聴覚などの感覚機能の基礎が形成される重要な時期でもあります。

そのため、0~3歳の子どもに対しては、安易に強い匂いや人口の刺激臭にさらすことなく、できるだけニュートラルなかおり環境を整えることがもっとも重要といえるのです。
特に、嗅覚は ”慣れ”を生じやすい感覚なので、強い匂いに長期間さらされると、繊細なかおりを嗅ぎわけにくくなるなど、将来に悪影響を及ぼしかねません。

洗剤や柔軟剤、芳香剤など、大人が意識せずに発している匂いや、匂いの原因物質にも要注意。
父親が室外でのみ喫煙しているという家庭の子どもから、ニコチンの代謝産物が検出されたというデータがあるほどなので、自身の匂いにも気を配りましょう。

発達心理学では0~3歳頃は「愛着形成期」と考えられています。たくさん話しかけられたり、触られたりすることで、情緒の安定や人への基本的な信頼感が芽生えるのです。
心の絆ともいえる愛着感情は、その後の自我やコミュニケーション形成の根幹となります。親子で親密な関係を築くことは、子どもがのびのびと成長する上で必要不可欠な過程といえるのです。
そのために必要なのは、親の精神安定が重要とされています。特に1歳から2歳ごろに始まる第一次反抗期、通称『イヤイヤ期』は自己主張を覚えて盛んに動き始める時期なので、親である大人は思い通りにいかない戸惑いやいら立ちを感じがちになります。そんな時の気分転換には、緊張を緩めるといわれる「カモミール・ジャーマン』や『リンデン』のハーブティーを飲むとほっと一息つけるでしょう。
また、忙しいさなかでも、気持ちを明るくする『ゼラニウム精油』や、『オレンジ・スイート精油』などの香りを楽しむことで、少し気分が上向きになって心が軽くなることでしょう。

子供を刺激臭にさらさない、リラックスなどの気分転換にはハーブや精油を活用する、という2つを念頭において、香りで愛情あふれる乳幼児期を過ごしましょう。
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【学童期】
4歳頃になると、運動能力の発達や言葉数の増加など、身体や知能面での成長が見られるようになります。このころから変声・初潮が始まりだす手前の9歳頃までを学童期といい、物事の理解や、認識力が高まる時期といえるでしょう。pic_g098
この時期に自然との触れ合いを増やすことは、心身に良い刺激を与え、豊かな感性を育むことにつながります。子どもは、自然界ならではの美しさや逞しさを体感しながら、興味や関心の対象をどんどん広げていくことでしょう。また、森林や土といった自然の香りは、無数の香気成分から成り立っており、これらの匂いに触れれば、多くの嗅細胞をしっかりと働かせることができます。幼いころから嗅覚などの五感によい刺激を与えることで、脳全体が活性化し、豊かで繊細な感覚や感性が磨かれていくのです。

この年代で特に気にしてあげたいのが、言語コミュニケーション能力が発達途上のため、まだ感情を上手く表現することができません。そこで、子どもが安心できる環境と香りを結びつけ、その香りを嗅ぐと子どもの”安心スイッチ”が入るように演出するのも良いでしょう。
必ず笑顔で食事を出すようにすると、子どもは帰宅して味噌汁やごはんの香りを嗅ぐだけで「ホッとできる場所に戻ってきた」という安心感を覚えるようになります。
子どもと一緒に、気分をリフレッシュさせる『オレンジ・スイート精油』を垂らしたお風呂に入るのもオススメです。
子どもの緊張をほぐすと同時に親自身もリラックスでき、親子の絆を深めるのにも役立つでしょう。

様々なシーンでお役立て頂ける『オレンジ・スイート精油』
ぜひ一度、お手にされてみて下さい。

記事:AEAJ認定アロマテラピーインストラクター:宮部さちこ
※参考:AEAJ【機関紙】No.78 より